移住後の教育環境は?気になる十勝の進学事情を調査

「地方に移住したら子どもの教育が心配…」という人もいるのではないでしょうか。十勝管内の進学事情について紹介します。

十勝の高校生のほとんどが管外へ。

十勝管内にある高校は、現在公立が19校、私立3校、通信制2校となっています。十勝の高校生の卒業後の進路は、全体の3割程度が就職などで十勝に残り、ほかは大学・短大・専門学校などへ進学します。管内にある大学は、帯広畜産大学、帯広大谷短期大学の2校で、帯広畜産大は単科大学。そのため、ほとんどの高校生の進学先は管外や本州になります。多くの子どもたちが仕送りや奨学金をもらいながら親元を離れて学ぶのです。

このような進学事情の中、十勝では近年、東京大学や京都大学といった選抜性の高い大学に合格する人がコンスタントに現れています。そういった大学への合格者を多く輩出しているのが、北海道帯広柏葉高等学校(以下、柏葉高校)。十勝の公立高校です。

道内有数の進学率を誇る帯広柏葉高校。

柏葉高校はその入学者のほぼ100%が進学希望という、いわゆる進学校。札幌市を含め、道内6番目の進学実績を誇っています。ここ数年は毎年のように東京大学、京都大学への合格者を輩出。国公立大学への進学率は60%以上という高い水準を保っており、北海道大学、大阪大学、東北大学などの難関国立、早稲田大学、上智大学等首都圏難関私立への進学者も多くいます。

進路指導部長の上村剛先生によると「進路指導部を中心に環境を整えてきました。基本は普段の授業ですが、放課後や長期休みには校内で進学講習を行っています。学習塾に通わなくても力をつけられるようにしてきました」とのこと。

柏葉高校では先輩たちの姿や実績が在校生の励みになっており、十勝という地域に住みながら高い目標が目指せる、そんな環境が整っています。

柏葉高校 大学別合格者数一覧

国公立大学

令和5年度令和4年度令和3年度
東京大学021
京都大学301
北海道大学132422
その他難関国立大131512
道内医学部・医学科
(北海道大・札幌医科大・旭川医科大)
774
国公立大学 合計148170147

※難関国立大:東北大、名古屋大、大阪大、九州大、一橋大、東京工業大、筑波大、東京外国語大、横浜国立大の合計
※令和5年度は6クラス(240名)、令和4年・3年度は7クラス(280名)

難関私立大学

令和5年度令和4年度令和3年度
早稲田大学447
上智大学140
MARCH244651
関関同立61615

※MARCH:明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大
※関関同立:関西大、関西学院大、同志社大、立命館大

部活動も盛んなのが特徴。特に文化部の活躍は著しく、全国高文連で27年連続受賞に輝く新聞局を始め、演劇部・放送局・美術部・書道部などが全国大会進出の実績を持っている。

国立大学でかかる教育費 約500万円の内訳

入学金・授業料(標準額)/244万円

入学金・1年目授業料約82万円(※)+授業料約54万円×3年間
※入学金 28万2,000円+1年分の授業料53万5,800円=81万7,800円(令和6年度 北海道大学の場合)

仕送り額/240万円

5万円×12ヵ月×4年
札幌に進学すると仮定して月5万円で計算。首都圏に進学する場合は10万円ほど必要。不足分は奨学金やアルバイトでまかないます。

国立大学でかかる教育費/合計 484万円

入学金・授業料+仕送り額
私立大学の場合は、入学金と授業料のみで約477万円、これ以外に月々の仕送り額が必要になります。

※取材協力:リブラス株式会社