相互電業で社員として働きながら、社内プロジェクトをきっかけに活動の場を広げ、ついには株式会社cubioを創業した今野さん。会社員と経営者、二つの立場でいる理由とは。

相互電業株式会社
管理部 今野 愛菜さん
働き方を見直し、自分のためから会社のためへ。
異業種から転職し、相互電業で働いて11年になる今野愛菜さん。入社以来管理部に所属し、総務や経理を担当する、一般的な事務職として日々の業務に向き合ってきた。そんな今野さんの中に、ある思いが芽生えたのは2018年のこと。「ずっと、自宅で愛犬ともっと一緒に過ごしたいという気持ちがあって。在宅勤務ができれば叶えられるのではないかと思い、他社の事例を個人的に調べ始めました」。そこで見つけたのが、サイボウズの業務管理ツールである「kintone」。機能を調べるうちに、自身の働き方だけでなく、社内全体の業務改善にも有効なシステムだと気づいたという。
当時、社内では業務ごとに異なるシステムを利用しており、仕事は属人化している状況だった。「kintoneが課題解決の糸口になるのでは」。そう考えた今野さんは、社長室を訪ね、導入を提案した。話を聞いた板倉利幸社長はすぐに賛成し、導入を決断。社内にチームを立ち上げ、工事管理や原価管理、書類整理などの業務アプリを次々に整備し、誰が見ても流れがわかり、次の行動を迷わない仕組みづくりを進めていった。
こうした取り組みを支えているのは、社員一人ひとりの働き方を尊重する同社の姿勢だ。相互電業では「30人30通りの人事制度」を掲げ、働きやすい環境を提案できる体制を整えている。今野さんも自分らしい働き方を実現しており、現在は週4日勤務(うち3日は在宅勤務)で働いている。
「導入から時間が経ち、全社でDX化が根づいてきました。だからこそ今、より効果的な活用方法を考えてステップアップさせたいです。kintoneを使ってやりたいことはまだたくさんあります」。目の前の業務を一つひとつ整えながら、より良い働き方を模索し続ける。その積み重ねが、今野さんの日常であり、相互電業のこれからを支えている。


人と組織の可能性を広げる企業の仕組みづくりをサポート。
kintoneの導入を決め、社内を巻き込みながら活用を進める中で、今野さんは多くの学びと出会いを得た。導入事例の発表に登壇したり、自ら「kintone Café 帯広」を開いて情報交換の場を設けたりすることで、同じツールを使うユーザーとのつながりも生まれていった。こうした経験を通じ、今野さんの世界は少しずつ外へと広がっていったのだ。

会社員として働く一方で、「自分の経験が、他社の現場でどこまで実践的な力になれるのか」を突き詰めたいと考え、個人事業主としての活動を始め、2024年8月には株式会社cubioを立ち上げた。現在は代表として、企業のDX化支援や研修講師を務めている。「自分の時間を100%外の世界に投じ、一社でも多くの役に立ちたいとも考えましたが、仲間と同じ目的に向かい、メンバーとして課題を乗り越えていく面白さを捨てきれなかったんです」。板倉社長の近くで学びながら、経営者とは異なる視点で組織を支えることにやりがいを感じており、今はその両方の視点を持てていることに、大きな充実感を覚えていると話す。
cubioが行っているのは、業務管理ツール「kintone」を活用した業務改善のサポートだ。アプリの構築や導入支援にとどまらず、業務の流れそのものを整理し、社員が無理なく使い続けられる形を企業と一緒につくっていく。支援先は製造業や小売業などさまざまで、「人を増やす前に、まずは仕組みを整えたい」という小規模事業者からの相談も多い。
本業と個人事業、二つの働き方を行き来する毎日は決して楽ではない。それでも今野さんは、「どちらかを選ぶ」のではなく、「どちらも大切にする」道を選んだ。社外から支援する立場と、会社の一員として内部から関わる立場。その役割の違いを実感するほど、相互電業で“チームの一員”として直接関われることの面白さを感じているという。一人で挑戦する時間と、仲間と働く時間。その両方が、今野さんの仕事の幅を確かに広げている。

会社データ
相互電業株式会社
帯広市東1条南5丁目2
0155-22-1188
2,000万円
6億1,800万円(24年5月期)
32名(うち正社員27名)