ミッションは職員の知恵を総動員し、帯広市民により良い暮らしを提供すること。

北海道十勝地方の中心地であり、自然と都市とが融合した恵まれた環境を基盤に、約16万人が暮らす帯広市。市民の暮らしを支える帯広市役所職員の仕事について、その魅力とやりがいを、人事課の東悠風太さんにインタビューした。

帯広市役所 総務部 組織人事室 人事課
東 悠風太さん
埼玉県出身。大学卒業後、埼玉県内の市役所や十勝管内の農場で勤務した後、2017年10月に帯広市役所へ入庁。2021年より人事課に所属し、働き方改革などの担当を経て採用担当に。プライベートでは、2児の子育ての傍(かたわ)ら、趣味のベースや麻雀を楽しむことも。

市民と同じ目線から、大きなミッションを叶える。

「市役所職員ならではの距離感があると思うんです」。業務の魅力について東さんに訪ねた際、一番に返ってきたのはこんな答。「たとえば福祉の分野で考えても、社会にはさまざまなサービスがある中で、市役所業務の特徴は『利益よりも住民の暮らしを第一に追求できる』という部分。対お客さんになるのではなく、あくまで一市民の立場で本当に困っている人たちの生活に寄り添うことができる。個人的には、その点に大きなやりがいを感じています」。

埼玉県出身で、一度は地元の市役所で生活保護担当として働いていた東さん。十勝の魅力に惹かれ移住し、農場スタッフとして従事していたが、もう一度市役所職員として生活保護関連の業務に携わりたいという思いがあり、帯広市役所へ転職。現在は総務部人事課に所属し、採用業務をメインに担当している。

市役所といえば、「安定」や「窓口業務」のイメージが強いように思うが、実際の業務は想像以上に幅広く挑戦的だ。東さん自身も「今年度は帯広市の魅力発信に力を入れてみよう」という課の方針のもと、例年よりも多くの就職セミナーに参加。自身の転職・移住経験を活かし、精力的に取り組んでいる。

採用する職員数は例年40～50名ほど。就職セミナーなどで東さんが伝えているミッションは、「1800億円の予算と1300名の職員の知恵を使って、16万人の市民に対してより良い暮らしを提供する」というもの。この規模の予算を市民生活に還元させることができると考えれば、そのやりがいや規模の大きさが想像しやすいだろう。

安定した勤務環境で、長期的なキャリア形成を。

市役所の働き方として特徴的なのは、数年のスパンで部署異動があること。「民間企業でいうところの『転職』と同じくらい、ガラッと業務内容や環境が変化する場合も。ただ全員がその仕組みを理解している分、業務マニュアルや、職員間でのフォロー体制も整っています。むしろ異動によって新たな経験ができたり、フレッシュな感覚を保てたりと良い面も大きい。市役所の仕事＝市民生活に直結するものなので、基本的にはすべてが自分事。暮らしていく上で必要な知識を身に付けられるという点でも、キャリア形成においても、メリットが大きい仕組みだと捉えています」。

キャリアを考える上では、ワークライフバランスという観点も重要だ。帯広市役所では2024年度で男性の育休取得率60％を達成。有給取得率も全体的に高く、業務特性に応じてテレワーク制度も導入されたほか、職員が通年で働きやすい服装で勤務できる「通年ナチュラルビズ」など、時代に合わせた働き方を実現中。東さん自身も子どもが生まれた際には育休を取得。「妻のサポートはもちろん、家族の時間をとれて良かったと実感しています。昨年は有給を100％消化し、プライベートの時間もとることができました。子どもとの行事から趣味まで両立できてとてもうれしいです」。

安定した職場環境があるからこそ挑戦できる。すべてを自分事として捉えながら働くことができるのが、帯広市役所職員としての仕事だ。

帯広市役所の仕事

窓口業務

各種手続き、戸籍にまつわることなど、さまざまな部署があります。帯広市は北海道内でも人口の多い自治体であることから考慮すべき部分も多いですが、その分やりがいや達成感も。自分の業務が市民の皆さんの暮らし、そして市全体につながっていくという実感を得やすい業務の一つです。

農政課

十勝・帯広の基幹産業である農業を支える部署で職場は農村部にあります。農作物の作況調査や和牛の巡回指導、食育の出前授業やイベント実施、補助金や貸付金の事務など、業務内容は多岐にわたります。農業現場に出る機会も多く、生産者の声を間近で聞くことができるのも魅力の一つです。

ばんえい振興課

世界で唯一の競馬「ばんえい競馬」の振興も帯広市の仕事。実際にばん馬たちと触れ合う機会も多い特徴的な部署です。ばんえい競馬を発展させるため、お客様が楽しめるイベント企画やグッズを作成したり、競馬の公正性を確保するための仕事に取り組んだり。ほかの市役所業務では味わうことのできない、競馬の運営ならではの魅力を感じることができます。

動物園飼育員

おびひろ動物園は市営のため、実は園のスタッフも市役所職員です。動物の飼育から展示にまつわることから広報や営繕まで、園内業務の全般を担当します。通常の市役所業務とはギャップはありますが、ほかでは経験できない業務内容。動物好きにはぴったりな部署でもありますね。

採用試験に関するポイント

毎年春に職員募集を行っています。詳細は、帯広市HPから確認を。

新卒の場合
筆記試験で必要なのは、専門知識ではなく公務を行う上で最低限必要な事務処理能力。一般的な公務員試験用の対策は不要です。

中途採用の場合
(一定程度の社会人経験がある方)筆記試験の代わりに集団面接試　験を実施しています。