生産者から消費者へバトンをつなぐ。地域と共に成長する十勝密着ベーカリー。

株式会社 満寿屋商店

地産地消への熱い想い、十勝産小麦100%をついに達成。

株式会社満寿屋商店は、創業75年の十勝の老舗のベーカリーである。十勝に7店舗を展開し、世代を超えて多くの人々に愛され続けている。
ますや商店が長年にわたり力を入れてきたのが、地産地消の推進である。創業当初から可能な限り十勝産の食材を使用し、地域の恵みを生かしたパン作りに取り組んできた。その姿勢は年々進化し、2012年には全店で十勝産小麦100%使用を達成。地場産の小麦を使用したパンをこの規模で提供できるベーカリーは全国的にも珍しい。

十勝の基幹産業である農業と深く関わりながら、地域と共に成長してきた背景には、杉山雅則社長の「パンを通じて、生産者と消費者をつなぎたい」という強い想いがある。この地で育った小麦を生産者から受け取り、パンに加工して消費者に食べてもらう。そうしたサイクルを通じて、十勝全体を豊かにすることが、同社の理念の根幹にある。

パンの製造を担う麦音店とボヌール店では、売り場と工房の距離が近く、消費者がパンを選ぶ様子を間近で見ることができる。この店舗設計には、パン職人と消費者のつながりを深めたいという想いが込められている。かごいっぱいにパンを乗せ、レジへ向かう消費者の姿は、職人にとって大きな喜びとなる。

確かな技術を学べる環境、一流のパン職人への道。

ますや商店は、パン職人が技術を磨きながら成長できる環境を重視している。パンの製造は、仕込み・成型・調理・窯など、工程ごとに分業化されているが、定期的なポジション異動で、各工程の技術をまんべんなく学べる体制だ。また、熟練の職人が培ってきた技術を間近で見て学べるのも魅力の一つ。小麦の状態を見極める感覚や、温度・湿度の調整が、パンのクオリティを大きく左右する。麦音店で窯を担当する高橋さんは、入社7年目の今も「一生勉強。終わりがないからこそ、極める楽しさがある」と語る。その言葉には、尽きることのない探求心が宿っている。確かな技術を身に付け、パン作りの奥深さを追求したい人にとって、やりがいのある環境である。

「2030年に十勝がパン王国になる」というビジョンのもと、十勝を盛り上げる仲間として、パン職人の独立・開業にも積極的な姿勢だ。一昨年、ますや商店から独立した岡田さんは、畑の真ん中にベーカリーを開業した。「消費者に農場を見て欲しい」という想いのもと、地域とのつながりを大切にしたパンづくりに取り組んでいる。こうした独立事例が増えることは、地域の活性化にもつながっている。若き職人たちと共に、十勝をさらに盛り上げていく。「パン王国」が叶う未来は、もう目前だ。

社員紹介

入社7年目 麦音店 髙橋慧さん
岩見沢市出身。岩見沢農業高等学校を卒業。通常の製造業務だけでなく、地元企業の飲食店「カレーショップインデアン」とのコラボ商品も手がける。手に持っているのは、コラボ商品のナン。

入社1年目 ボヌール店 藤森駿太さん(右) 惠田陽太さん(左)共に清水町出身、北海道清水高等学校卒業。学生時代「パン甲子園」への出場をきっかけにこの業界への入社を決めた。藤森さんは仕込み、恵田さんは窯を担当している。

会社データ

会社名

株式会社 満寿屋商店

所在地

帯広市西17条南3丁目50-17

電話番号

0155-58-4690

資本金

1,000万円

売上高

10億円(24年6月期)

社員数

195名(うち正社員61名)

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