外遊びの楽しみ② ゆったりアウトドア
大自然に囲まれた十勝だからこそ、アウトドアを思う存分楽しもう! ゆっくりのんびり十勝の清らかな風を感じられる、カヌー、スノーシュー、熱気球、乗馬の楽しさをお伝えします。
choice5 カヌー
穏やかに風が通り抜ける川面に、パドルが跳ね上げる水音が響き渡り、ザワザワと木々が鳴る音や鳥のさえずりが、いつもより何倍もハッキリとした輪郭をもって耳に届いてきます。ラフティングが「自然と戯れる」のだとしたら、カヌーは「自然に溶け込む」もしくは「自然にそっと触れる」感覚かもしれない。漂っている間に、自分の身体と外界との間にある境界線が、水彩絵の具のようにジワーッと滲んで溶けていくかのような。もちろん、川の流れに沿ってスイスイと漕いでいくスピード感も格別だけれど、気の赴くままにスローダウンして静寂を楽しめるのは、小回りが利くカヌーならではの楽しみ方と言えます。経験を積んで、自在に操れるようになったなら、その楽しみはどこまでも自由に広がっていくことでしょう。
choice6 スノーシュー
冬は寒いから、家でおとなしくしていよう、…なんてもったいない! 寒い冬、雪の多い冬だからこそ見られる風景がそこかしこにあるのが十勝なのだから。特に、春から秋にかけて草木が生い茂る森の中や、湖の上、滝のそばなどは、雪や氷に閉ざされる冬にこそ「歩いて」訪れたい絶景と言えます。昔は「かんじき」と呼んでいた雪に埋もれないための道具。このスノーシューのおかげで、結氷した湖の上も何のその。昔の人の知恵に感謝することしきり。初めはちょっと歩きにくく感じても、すぐに足が慣れて軽快に進めるようになってきます。バランスを崩して深い雪に埋まってしまわないように、両手にはストックを持つのが良いでしょう。一歩一歩、自分のペースで歩を進められるのが「徒歩」の良いところ。トレーニングなどしなくても、年齢や体力、目指す場所に合わせて誰でも無理なくはきこなせるスノーシューがあれば、十勝の冬を余すところなく体感できるのです。
choice7 熱気球
ふわふわ、ぷかぷか、カラフルな雲のように空に浮かんでいる熱気球。十勝管内では冬の早朝に特に多く目にできます。のんびりと漂っているように見える気球だけれど、実は身体も頭もフル回転させなければならない、れっきとしたスポーツ。ブレーキもアクセルも、舵もない。あるのはバルーンに熱を送り込むバーナーだけ。単に言うと、上下の動きはバーナーで熱するか冷やすか。東西南北の平行移動は、風を読んで風に乗るだけ。行きたい方向に向かう風が吹く高度を見極めて、バーナーで高さを調節する。大会ではさらに、目印に向けて錘おもりを投下してその距離を競ったりもします。地上からの風景の優美さの裏で、上空では熾烈な攻防が繰り広げられていることも…。熱気球に本格的に携わりたければ、管内にあるクラブに所属して。試しにチョット乗ってみたいときには、大会などに合わせて行われる係留フライトでも十分に楽めることでしょう。
choice8 乗馬
リズムよく揺れる馬の背中の上。あの時の体験を思い出すだけで、心がふわりと穏やかになるのが感じられます。セラピーにも活用されるほど、強い癒やしの力を持っている乗馬。大きな馬に、初めはドキドキしながら近づいていき、目が合えば、その優しい眼差しに少しだけ緊張感がほぐれ、乗る前にブラッシングなどでスキンシップを図ると、だんだんと恐怖心がなくなっていく。「馬って優しいんだな」と、自分の心が素直にそう思えるように変化していくものです。「お邪魔します」とばかりに背に乗せてもらうと、いつもより高い視点が新鮮で心が浮き立ちます。人が操っているのではなく、馬がこちらの気持ちを理解して、心を通わせてくれるような感覚。触れ合うことで通じ合う、生命と生命の対話の一端を、馬が教えてくれるような気がしたのでした。